猫背とは違う?巻き肩の見分け方と改善のための姿勢・運動習慣

Share: Facebook X(旧Twitter) LINE はてなブックマーク


巻き肩とは?原因から改善まで

巻き肩のイメージ

巻き肩とは、本来は耳の真下にあるはずの肩が、前方かつ内側に入り込んだ状態を指します。この姿勢では、肩から胸にかけての筋肉(大胸筋・小胸筋など)が常に縮こまり、逆に背中の筋肉(僧帽筋・菱形筋など)は引き伸ばされたまま弱ってしまいます。筋肉同士のバランスが崩れ、肩が前に引き寄せられた状態が固定化されていくのです。

日常生活の中で、立っていても座っていても肩が前へ倒れ込み、背中がやや広がったように見えます。これが長期間続くと、首や肩、背中への負担が蓄積され、筋肉のコリや痛みだけでなく、呼吸の浅さや睡眠の質低下など、全身に影響が出ます。

特に現代社会では、スマートフォンやパソコンを長時間操作することが当たり前になり、知らない間に巻き肩の姿勢が“体の標準姿勢”として染みついてしまう人が増えています。

巻き肩と猫背の違い

猫背と巻き肩は似た印象を持たれがちですが、影響する部位と姿勢のパターンは異なります。

猫背は背中全体が丸くなり、首から腰にかけて後方へのカーブが強くなった姿勢です。巻き肩は肩そのものが前方に出て丸くなっており、背中がまだ丸まっていないこともあります。

ただし、巻き肩が長く続くと背中の丸まり(猫背)も進行しやすく、逆に猫背が長く続くと肩も前に出て巻き肩を併発するケースが多く見られます。

項目 巻き肩 猫背
肩/背中の特徴 肩が耳より前に出る 背中全体が丸まる
見た目の変化 胸が閉じて肩幅が狭く見える 背中の後方湾曲が大きくなる
筋バランス 胸部の筋肉が縮み、背中の筋肉が弱る 背骨全体のカーブが増す
相互関係 放置で猫背化しやすい 猫背から巻き肩を伴うことも多い

巻き肩になる主な原因

巻き肩は一朝一夕で起こるわけではありません。日々の姿勢や動作の積み重ね、筋肉の使い方の偏り、生活習慣、精神的な影響などが複雑に絡み合って少しずつ形成されます。

1. 筋肉バランスの乱れ

人の姿勢は、前面と背面の筋肉が拮抗しながら保たれています。しかし胸部の筋肉(大胸筋・小胸筋)が短縮して硬くなると、肩は自然と前に引っ張られます。背中の筋肉(僧帽筋・菱形筋など)が弱くなると、この前方への引き寄せを戻す力がなくなり、巻き肩が固定化されます。

生活場面の例

スポーツジムで胸部を鍛えるベンチプレスばかり行い、背中を鍛えるローイングやラットプルダウンをほとんどやらない場合、数ヶ月〜数年で肩が前に出やすくなります。

2. 長時間のデスクワーク

現代社会では、デスクワークは避けられません。モニターが低い位置にある、椅子や机の高さが合わない、キーボードが遠いなど、体に合わない環境は前傾姿勢を強制します。この姿勢が何時間も続くと、肩は前に出て固定され、胸は閉じ、背中の筋肉が伸ばされたまま硬くなります。

3. スマートフォン・タブレットの使用

下を向いた姿勢でスマートフォンを覗き込む時間が長くなると、首は前に突き出し、肩が内側に入る動きが定着します。特にベッドやソファに寝転び、うつむき加減で操作する場合、重力の影響で肩は自然と内側に巻き込みます。

4. 横向き寝

睡眠姿勢も巻き肩に影響します。横向きで寝ると上半身の体重が肩にかかり、肩が前に押し出されます。これが毎晩続けば、寝ている間も肩が前方に位置する状態が習慣化します。

5. ストレス

強い緊張や不安があると、人は無意識に肩をすくめ、前方に入れ込む姿勢を取ります。この防御反応のような姿勢が長く続くと、肩はその位置で硬まりやすくなります。

6. 運動不足

背中や肩周囲の筋肉は、日常生活で意識的に使わないと衰えていきます。姿勢を保持する筋力が低下すると、正しい位置に肩を保てず、自然と前に出やすくなります。

デスクワーク環境と姿勢の関係

巻き肩がもたらす悪影響

呼吸が浅くなる

胸郭が圧迫され、肋骨の動きが制限されます。酸素摂取量が減り、血流が悪化し、疲労感や集中力低下、代謝低下を招きます。

肩こり・首こりの悪化

筋肉が縮こまり、血流が滞ります。これにより肩こり・首こりが慢性化し、重だるさや痛みが日常的になります。

反り腰の誘発

無理に背筋を伸ばして巻き肩を改善しようとすると、腰が反りすぎ、本来のS字カーブが崩れます。これが腰痛の原因になります。

頭痛の発生

頚部や肩周辺の血行不良が脳への血流を妨げ、緊張型頭痛が起こりやすくなります。

睡眠の質低下

首や肩の緊張が副交感神経の働きを妨げ、身体がリラックスできず浅い眠りが増えます。

自分でできる巻き肩チェック

立って確認

  • 横向きで鏡の前に立つ
  • 耳より肩が前に出ていれば巻き肩傾向
  • 腕を自然に下ろしたとき、手の甲が前を向いている場合も要注意

寝て確認

  • 床に仰向けで寝る
  • 肩と床の間に隙間があれば巻き肩傾向

巻き肩改善のための方法

1. 姿勢の見直し

胸を開き、肩を下げて力を抜く習慣をつけます。壁に背をつけ、後頭部・肩甲骨・お尻・ふくらはぎ・かかとが付く感覚を覚えます。

2. ストレッチ

  • 両手を頭の後ろで組み、肘を広げて深呼吸
  • 肩をすくめてから一気に下ろす「肩すぼめ」
  • 肘で大きく円を描くように肩回し

3. 筋トレ

  • Tレイズ(広背筋強化)
  • 膝つきワイド腕立て伏せ(胸筋強化)
  • 仰向けプッシュアップ(三角筋後部強化)

4. 寝具・寝方の改善

  • 仰向けで寝る習慣をつける
  • 膝下にタオルを置き腰の負担軽減
  • 枕は首が自然にまっすぐになる高さに
  • マットレスはやや硬めで寝返りがしやすいものを選ぶ
課題 具体アクション ポイント
胸が閉じている 頭後ろで肘を広げて深呼吸/壁胸ストレッチ 呼吸を止めない・反り腰にならない
肩が前に出る 肩すぼめ→脱力/肩回し(内外10回) 脱力で血流促進・可動域確保
背中が弱い Tレイズ/仰向けプッシュアップ 肩甲骨を寄せる意識・痛みなく反復
座位が崩れる 腰を奥まで/背もたれ密着/顎を軽く引く 肘約90度・モニター上端が目線
睡眠で肩が前方化 仰向け+膝下タオル/やや硬めマットレス 寝返りしやすさを最優先
胸開きストレッチと背中トレーニング
胸を開く呼吸ストレッチ+背中主体の筋トレをセットで。

日常生活での工夫

  • 椅子は膝と股関節が90度になる高さに
  • デスクは肘が90度になる高さに調整
  • スマホは目線の高さまで持ち上げる
  • 長時間同じ姿勢が続いたら2〜3分のストレッチを挟む
  • ビタミンDやカルシウムなど、筋骨格に必要な栄養を摂る
デスクとスマホの使い方、栄養のイメージ

まとめ

巻き肩は、胸側の短縮と背側の弱化という筋バランスの崩れを軸に、デスクワークやスマホ習慣、横向き寝、ストレス、運動不足といった日常要因が重なって形成されます。放置すれば呼吸の浅さ、慢性の肩首コリ、反り腰からの腰痛、緊張型頭痛、睡眠の質低下へと波及し、上を見る・棚上の物を取る・運転で後方確認するなどの動作も制限されがちです。改善には、姿勢の再学習(胸を開き肩は下げて力を抜く)、胸の前面を開くストレッチ、背中主体の筋力強化、作業環境の最適化、仰向け中心の睡眠条件づくりを“同時並行で”積み重ねることが重要です。数分のプチ習慣でも、日々の反復で標準姿勢は更新できます。今日から小さく始め、確実に続けていきましょう。

 

 

おすすめページ

 

 


▼JAHA資格講座一覧▼
ヨガ資格

 

関連



4種類のヨガ資格講座・3コースの受講スタイルをご用意
通学講座・オンライン講座・DVD教材通信講座


通学ヨガ資格講座一覧

 

 

北海道,青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,新潟県,富山県,石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,静岡県,愛知県,三重県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県,鳥取県,島根県,岡山県,広島県,山口県,徳島県,香川県,愛媛県,高知県,福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島,県沖縄県
Share: Facebook X(旧Twitter) LINE はてなブックマーク

関連記事



インスタ

キーワード検索

インストラクター
資格講座

日本ハッピーライフ協会(JAHA)は、
ママになっても「学びたい」
「自分やお子様の為に何かしたい」
「資格を取得して開業目指したい」
という輝くママを応援します。

通学講座

通信講座

新着ブログ 資格講座一覧