女性ホルモンと不眠の深い関係|生理前・更年期に起こる睡眠トラブルの原因とは
不眠症とは何か
不眠症とは「眠りたいのに眠れない」「眠りが浅い」「夜中に何度も目が覚める」など、必要な睡眠がとれず日常生活に影響が出る状態を指します。日本では成人の約5人に1人が不眠の症状で悩んでいるといわれ、決して珍しいものではありません。
不眠が続くと、倦怠感、集中力低下、気分の落ち込み、食欲低下などの心身の不調につながります。さらに交通事故や仕事の効率低下など、社会的なリスクを高めることも報告されています。

タイプ | 特徴 |
---|---|
入眠困難 | 布団に入っても30分〜1時間以上眠れない |
中途覚醒 | 夜中に何度も目が覚める |
早朝覚醒 | 予定より2時間以上早く起きて眠れない |
熟睡障害 | 眠っても熟睡感が得られない |
女性ホルモンと睡眠の関係
女性の体は、月経周期に伴うホルモンの変動によって睡眠リズムにも影響を受けます。特に重要なのはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。
エストロゲンは肌や骨を守り、血管をしなやかに保つ働きがあります。排卵までの期間は心身ともに調子が良い傾向にあります。一方、プロゲステロンは妊娠をサポートするホルモンで、体温上昇や眠気をもたらしますが、同時にむくみやイライラを招くこともあります。

生理前に眠れなくなる理由
生理前はプロゲステロンの分泌が増えるため、多くの女性は「強い眠気」を感じやすくなります。しかし中には、逆に「眠れない」と感じる人もいます。これは体内時計のリズムが後ろにずれやすくなり、眠気のタイミングを逃してしまうことが原因の一つと考えられます。
また、プロゲステロンによって体温が上がることで深い眠りが妨げられ、快眠しにくくなることもあります。つまり「眠気はあるのに眠れない」という矛盾した状態が起こりやすいのです。
更年期と不眠
更年期になるとエストロゲンやプロゲステロンの分泌が大きく低下します。特にエストロゲンが不足すると自律神経のバランスが乱れ、ホットフラッシュ(ほてりや発汗)、動悸、不安などが起こりやすくなり、夜間の睡眠を妨げます。
症状が強い場合には婦人科でのホルモン補充療法(HRT)が効果的です。ただし精神的な不調が強い場合は、心療内科や精神科での相談も必要です。更年期は誰にでも訪れるライフステージであり、不眠もその一部と捉えて適切に対処していくことが大切です。

女性特有のホルモン関連疾患と不眠
女性の体はホルモンの影響を大きく受けるため、ホルモン関連疾患は不眠の原因になることがあります。たとえば「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は排卵障害を引き起こし、月経不順やホルモンバランスの乱れとともに睡眠にも悪影響を及ぼします。
また「甲状腺機能亢進症」や「副腎皮質機能亢進症」などの内分泌疾患も、不眠や睡眠の質の低下を伴うことがあります。更年期障害に伴うホルモン低下も大きな要因です。こうした疾患が疑われる場合は婦人科や内科での診断が必要です。

不眠のその他の原因
不眠はホルモンだけが原因ではありません。心の状態や生活習慣、薬の副作用など、多くの要因が関与します。以下は代表的な原因です。
分類 | 具体例 |
---|---|
心理的原因 | 仕事や家庭のストレス、不安 |
身体的原因 | 慢性疾患、痛み、かゆみなど |
薬理学的原因 | アルコール、カフェイン、薬の副作用 |
精神医学的原因 | うつ病や不安障害に伴う不眠 |
女性に不眠が多い理由
厚生労働省によると、一般成人の30〜40%が不眠症状を持ち、その中でも女性に多いことが分かっています。背景にはホルモン変動だけでなく、家庭や育児、介護、仕事など、社会的・心理的な負担が重なりやすい点があります。
また不眠症とうつ病は密接に関係しており、うつ病の患者の9割近くが何らかの不眠症状を持つとされています。つまり女性がうつ病にかかりやすい背景には、ホルモンと生活環境の両方が影響しているのです。

ストレスとホルモンの関係
女性ホルモンの分泌をコントロールする脳の視床下部は、ストレスにも大きく反応します。強いストレスがかかるとホルモン分泌が乱れやすくなり、不眠や自律神経の不調が悪化します。
月経前の不調は「ホルモンが正常に働いている証拠」と捉え、あまり思いつめずに過ごすことも大切です。更年期の不眠も「当然の変化」と受け入れ、家族や友人に相談して心身の負担を減らす工夫が必要です。
悩みを一人で抱え込まず、医療機関や周囲の支えを得ながら乗り越えることが、不眠の改善につながります。
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