親ができる「褒め方・叱り方」|子どもの自信:自己肯定感を伸ばす
子どもにとって大切な「自信」とは?自己肯定感を育む関わり方

子どもにとって大切な「自信」とは?
子どもの中には、良い結果が残せなかっただけで大きく落ち込み、なかなか立ち直れなくなる子がいます。
また、「できない」「わからない」とすぐに諦めてしまったり、新しいチャレンジを怖がる姿を見せることもあります。
そうした子どもの様子に不安を感じ、「どうすればもっと自信を持てるようになるのだろう」と悩む親御さんは多いのではないでしょうか。
ここでまず考えたいのは、「そもそも自信とは何か」ということです。
自信という言葉はよく使われますが、その内側にはいくつかの異なる性質が存在しています。
自信には2種類ある
自信には、大きく分けて「根拠のある自信」と「根拠のない自信」があると言われています。
それぞれは似ているようでいて、育ち方も子どもへの影響も大きく異なります。
- 根拠のある自信とは、努力や経験、資格やスキルなどの裏付けがあることで「大丈夫」と思える自信です。
例えば「たくさん努力したから大丈夫」「この経験があるから大丈夫」「この信念があるから大丈夫」といった形です。
つまり「できる根拠」を自分の中に見つけられるからこそ、挑戦へ一歩踏み出せる感覚なのです。 - 根拠のない自信とは、裏付けがなくても「自分はできる」と思える心の状態を指します。
「特に理由はないけどできそうな気がする」「自分ならできると思う」といったように、証明できる材料はなくても信じられる気持ちです。
根拠のない自信がなぜ大切なのか
両方の自信は大切ですが、その役割には違いがあります。
「根拠のある自信」は経験を重ねる中で自然と身につきます。練習を積んで発表がうまくいった、テスト勉強を頑張ったら点数が上がった――そうした経験の積み重ねは「努力すればできる」という理解につながります。
一方で「根拠のない自信」は、経験や結果だけではなかなか育ちません。
小さい頃に「何の根拠もなくても自分は大丈夫」「親から愛され、存在を認められている」と感じられることが、成長の土台を作ります。
この感覚があるからこそ、子どもは挑戦の一歩を恐れずに踏み出せるのです。

自己肯定感と自信の関係
ここで注目したいのが「自己肯定感」です。
自己肯定感とは「今の自分をそのまま受け入れられる感覚」であり、言い換えれば「根拠のない自信」です。
これは「できるかどうか」に依存しない、もっと根源的な“自分への信頼”といえます。
- 今の自分をありのままに受け入れられる
- 周りの人を素直に尊敬できる
- 精神的に安定している
- やりたいことを自分で決められる
逆に自己肯定感が不足すると、「できなかったらどうしよう」「失敗するのが怖い」と不安が常に先立ち、挑戦する前に諦める行動につながります。
つまり、子どもにとって大切な自信とは、特別なスキルや結果から生まれるものではなく、「愛されている」「認められている」という経験の積み重ねで育まれます
子どもが自信をなくす理由と親のNG行動
第1部で「自己肯定感=根拠のない自信」の重要性を見てきましたが、現実にはその自己肯定感が十分に育たず、自信を失ってしまう子どももいます。
では、なぜ子どもは自信をなくしてしまうのでしょうか。その背景を探っていきます。
ほめられた経験が少ない
子どもが努力してもそれを認めてもらえなかったり、褒めてもらえなかったりすると、「どうせ見てもらえない」と感じてしまいます。
「頑張ったのに気づいてもらえなかった」「できたのに認めてもらえなかった」という体験が積み重なると、挑戦する意欲そのものが失われていきます。
また、親の理想が高すぎて「もっとできるはず」「完璧にやってほしい」と求めすぎると、子どもは常にプレッシャーを抱き「失敗するくらいならやらない方がいい」と考えるようになります。
コミュニケーション不足
親が忙しくて会話やスキンシップの時間が少ないと、子どもは「自分を見てもらえていない」と感じます。
さらに弟や妹が生まれて関心がそちらに集中すると、「自分は大切にされていない」と寂しさを抱くこともあります。
こうした経験が続くと「話を聞いてもらえない=自分の存在は価値がない」と思い込むようになり、自信を失ってしまいます。

過去の失敗や怒られた経験
失敗をしたときの強い叱責や、長く続く親の不機嫌な態度は、子どもにとって深い傷となります。
「また失敗するんじゃないか」「また怒られるのでは」と不安を抱くことで、挑戦の前に自らブレーキをかけるようになります。
親の不安やストレス
子どもは親の感情に非常に敏感です。親が不安やストレスを抱えていると、その気持ちは無意識のうちに子どもへ伝わります。
「そんなことして大丈夫?」「無理に決まってるよ」という言葉は、子どもに「自分にはできない」という思い込みを植え付けてしまいます。
NG行動のまとめ表
NG行動 | 子どもへの影響 |
---|---|
思い込みや決めつけ | 成長のチャンスを奪う |
人格を否定する言葉 | 「自分はダメ」という思い込みに繋がる |
兄弟や友達と比較 | 劣等感を抱く |
結果だけを見る | 努力を軽視され、やる気をなくす |
何でも指示する | 自分で考える力を失う |
子どもの自信を育む関わり方と褒め方・叱り方
子どもの自己肯定感を高め、自信へとつなげるためには、日常の中での親の関わりが大きな役割を果たします。
「存在を認める」「間違いを許す」など一見小さな言葉や態度の積み重ねが、子どもの心の支えとなります。
自信を育む5つの関わり方
- 子どもの存在を認める ― 「いてくれるだけで嬉しい」と伝える
- 間違えても大丈夫と伝える ― 「間違えも成長の一部」と教える
- 答えではなくヒントを与える ― 考える力を育てる
- できることからチャレンジさせる ― 小さな成功を積ませる
- 親も一緒にチャレンジする ― 「挑戦は楽しい」と背中で示す

褒め方と叱り方の比較表
項目 | 良い関わり | 悪い関わり |
---|---|---|
褒め方 | 過程を褒める 「最後まで頑張ったね」 気持ちを聞く 「どうやって考えたの?」 |
結果だけを褒める 「100点だから偉い」 才能を強調 「頭がいいね」 |
叱り方 | 気持ちを受け止める 「嫌だったんだね」 提案をする 「こうすればうまくいくよ」 |
人格を否定 「何をやってもダメ」 比較する 「友達はできてるのに」 |
実践例:日常の声かけ
シーン | 子どもの言葉 | 良い返し方 | 悪い返し方 |
---|---|---|---|
宿題を頑張った | 「頑張ったよ!」 | 「最後までやったね!」「難しい問題も解けたね!」 | 「100点じゃなかったね」 |
間違えたとき | 「できなかった…」 | 「大丈夫だよ、間違えても次につながるよ」 | 「なんでこんなこともできないの?」 |
チャレンジ前 | 「できるかな?」 | 「一緒にやってみよう」 | 「無理に決まってる」 |

まとめ
子どもの自信は特別な才能や結果から生まれるものではなく、日常の関わりや言葉がけから育まれます。
「存在を認める」「間違いを許す」「過程を評価する」「小さな成功体験を積む」「親も挑戦する」――この積み重ねこそが、子どもの自己肯定感を高め、未来へ進む力となります。
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