夜中に突然起こる足のつり(こむら返り)の原因と正しい対処法
こむら返り(足のつり)の原因と対策
こむら返りとは
こむら返りは、ふくらはぎ(腓腹筋)などの筋肉が急激に過度収縮して激しい痛みを伴う現象です。「こむら」は古語でふくらはぎを指しますが、足の裏や足指、太もも、胸などにも起こります。
原因は、電解質の乱れや神経異常、筋疲労などにより、筋肉の収縮と弛緩の制御が乱れ、一部の筋繊維が異常に収縮したまま硬直することです。痛みは血流障害による酸欠(虚血)で強まり、反射的なさらなる収縮を引き起こして悪循環となります。発作後に筋肉痛のような違和感が残ることもあります。

主な原因(4つの誘因)
- 電解質バランスの崩れ:筋肉の収縮にはカルシウムが必要で、弛緩にはマグネシウムが関わります。カリウムとナトリウムは神経信号の伝達に必須です。発汗、脱水、栄養不足でこれらが不足すると、筋肉が異常な信号を受け取り誤作動しやすくなります。夏の激しい汗や、夜間の寝汗による水分損失も大きな要因です。
- 慢性的な運動不足:ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血液を循環させるポンプの役割があります。運動不足で筋力が低下すると、血流が停滞し老廃物が排出されにくくなります。これにより局所的な疲労や乳酸蓄積が進み、筋肉が興奮しやすくなります。
- 冷え・血行不良:冷えると交感神経が優位になり、血管が収縮し血行が悪化します。結果的に筋肉に酸素と栄養が届きにくくなり、筋繊維が過敏になります。夏のエアコンによる足元の冷えや、冬の寝室環境も関与します。特に冷え性の方は要注意です。
- 病気の可能性:糖尿病では神経障害が、腎不全では電解質異常が、甲状腺疾患では代謝異常が起こり、これらが筋肉に影響します。腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアは神経伝達に障害を生じさせ、こむら返りを誘発します。これらの場合、単なる生活改善だけでは解決しません。
夜中や冬に起こる理由

夜間は副交感神経が優位になり、筋肉はリラックスした状態になります。一方で血圧や心拍数が下がり、血流量が減少します。また睡眠中はコップ一杯程度の汗をかき、知らず知らずに体内の水分やミネラルが失われます。
こうした条件下で、ふくらはぎの筋肉が冷えやすく、乳酸などの疲労物質が停滞しやすい状態になります。さらに寝返りや無意識の足の伸展動作が刺激となり、突然の収縮(痙攣)を誘発します。
冬場は気温低下により全身の血流がさらに低下し、筋肉が硬直しやすくなります。布団が薄い、寝室が寒いなどの環境条件もリスクを高めます。特に冷え性の人や高齢者は注意が必要です。
こむら返り応急処置
ふくらはぎの処置
つま先を自分の方に引き寄せながらかかとを突き出すと、ふくらはぎがゆっくりと伸び、痛みが緩和されます。呼吸を止めずに少しずつ伸ばすのがポイントです。

すねの処置
膝を曲げ、後ろ手で足の甲をつかみ、体に引き寄せるようにするとすねが伸びます。バランスを崩さないよう、壁や椅子を支えにしてもOKです。

土踏まずの処置
親指で土踏まずをしっかり押し、筋肉の緊張を緩めます。力が入りにくい場合は、親指を重ねてゆっくり押しましょう。

病気が原因の場合の注意
頻繁にこむら返りが起きる場合や、足のしびれ・むくみ、腰痛、歩行困難、言葉のもつれ、筋力低下がある場合は重大な病気が隠れている可能性があります。糖尿病、腎不全、動脈硬化、甲状腺異常、腰椎疾患などが考えられ、医療機関での診察が必要です。
予防と再発防止
- 寝る前にコップ一杯の水を飲む。
- マグネシウム(大豆製品、ナッツ、海藻)やカリウム(バナナ、ほうれん草、メロン)を意識的に摂取。
- ふくらはぎやアキレス腱のストレッチを習慣にする。
- 入浴やレッグウォーマーで足元を温める。
- 締めつける靴やハイヒールを長時間履かない。
- 十分な睡眠とバランスの良い食事を心がける。
ミネラル補給と栄養アドバイス
マグネシウムは筋肉の弛緩を助ける重要なミネラルです。大豆、納豆、木綿豆腐、アーモンド、海藻類に豊富です。
カリウムは神経伝達と筋肉の収縮制御に重要です。バナナ、トマト、メロン、みかん、ほうれん草などに含まれます。
これらを日常的に意識して摂取することが再発防止につながります。
ストレッチ・マッサージ
アキレス腱伸ばしは特に効果的です。片脚を後ろに大きく引き、かかとを床につけたまま体を前に倒すようにします。左右5〜6回ずつ繰り返します。ふくらはぎのマッサージも併用するとさらに効果的です。
漢方薬と補助療法
「芍薬甘草湯」は痙攣を抑える漢方薬で、発症時に速効性があります。ただし、甘草にはカリウム低下や血圧上昇の作用があるため注意が必要です。ほかに「牛車腎気丸」「八味地黄丸」なども使用されますが、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
こむら返りは日常的な筋肉の疲労、冷え、電解質不足が重なることで起こります。日頃の水分・ミネラル補給、冷え防止、ストレッチの習慣が予防につながります。頻発する場合は病気の可能性もあるため、早めに専門医へ相談することが大切です。
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