把握・吸啜・モロー反射解説:赤ちゃんの成長を見守る指標

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赤ちゃんの発達を支える原始反射の役割と重要性

新生児期に見られる原始反射は、赤ちゃんが生きるために必要な基本的な行動パターンであり、中枢神経系の発達状態を反映する重要なサインです。これらの反射は、出生直後から見られ、赤ちゃんの成長に伴い徐々に消失していくため、医療現場では発達評価や異常の早期発見に活用されています。本記事では、主な原始反射である【把握反射】、【吸啜反射】、【モロー反射】について、その特徴、発達過程、臨床的意義や注意点について解説します。

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モロー反射 赤ちゃん

1. 把握反射(握り反射、手掌把握反射)

特徴とメカニズム

把握反射は、赤ちゃんの手の平に大人の指などを触れると、強く握る反射です。手だけでなく、足の指にも同様の現象が見られ、足の親指の付け根付近を圧迫すると、5本の足指が丸く屈曲します。これらの反射は、赤ちゃんが自分の身体と外界を認識し、接触刺激に対して反応するための原始的なメカニズムと言えます。

発達過程と臨床的意義

    • 新生児期から1~2ヶ月頃まで: 特に手の把握反射は生後2~3ヶ月の間に顕著に現れ、赤ちゃんの神経系がまだ未熟な状態を反映しています。
    • 足の把握反射: 手の反射と比べ、足の場合は1歳近くまで持続することが多いとされています。これは、足裏への刺激が感覚統合や運動発達において脳にプラスの刺激を与える役割を担っているためです。

医師は、退院時の診察や1ヶ月・3~4ヶ月健診の際に、これらの反射の有無や左右差、強さの違いを確認し、中枢神経系の成熟状況や発達異常の可能性を評価します。反射が見られない場合、あるいは消失すべき時期になっても持続する場合は、神経系の異常が疑われ、早期の追加検査や専門医への紹介が検討されることがあります。

2. 吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)

赤ちゃん

特徴とメカニズム

吸啜反射は、口の中に乳首や小指が入ると、自動的に吸いつく反射です。これは、母乳やミルクを摂取するために欠かせない行動であり、赤ちゃんが栄養を確保するための生命維持行動の一環です。眠っている状態でも、自らの唇を吸うことが観察されることがあり、満腹時には反射の強さが弱まるため、反射だけで授乳の十分さを判断するのは適切ではありません。

関連する反射と注意点

吸啜反射に類似して、追吸反射という現象も見られます。これは、口角や頬に触れた刺激に対して、物を口元に引き寄せるような反応で、赤ちゃんが自然に「飲む」という行動を示すものであり、正常な発達過程の一部です。吸啜反射が弱い、または不明瞭な場合は、母乳の摂取量や体重増加など、他の発育指標と合わせて評価することが重要です。

3. モロー反射(びくつき)

しんせいじ

特徴と誘発方法

モロー反射は、赤ちゃんが急に驚いたときや、強い刺激(例えば、かすかな音や触覚刺激)を受けた際に、両腕を大きく広げ、すぐに抱きつくような動きを見せる反射です。正式なモロー反射の確認方法としては、仰向けに寝かせた赤ちゃんの頭を、手の平で支えながら約10~15cm持ち上げ、ゆっくりとベッドに戻すという方法があります。ただし、この際には赤ちゃんの頭部を傷めるリスクがあるため、十分な注意が必要です。

発達と注意すべき点

    • 自然発現: 日常生活では、掃除機やテレビの音などの環境刺激により、モロー反射が自然に誘発されることがありますが、特にチャイムの音や新聞紙をめくる音など、軽微な刺激でも見られる場合があります。
    • 睡眠時への影響: モロー反射が起こると、赤ちゃんが目を覚ましてしまう場合があるため、寝かしつけ時にはおくるみ(スワドルミー)を使用することで反射を抑え、安定した睡眠を促す方法も有効です。

中枢神経系の発達評価における原始反射の意義

原始反射は、赤ちゃんが生まれながらにして備えている生命維持のための行動であり、その存在や消失のタイミングは、中枢神経系の成熟度を示す重要なバロメーターです。
具体的には:

    • 正常なパターン: 新生児期においてすべての原始反射が見られることは正常であり、やがて脳の発達とともに必要に応じて抑制されていくプロセスを経ます。例えば、手の把握反射は生後3ヶ月頃まで顕著に見られ、その他の反射は生後4ヶ月頃には消失していくのが一般的です。
    • 異常のサイン: 反射が最初から見られなかったり、逆に消失する時期になっても持続する場合、また左右で明らかな差が認められる場合は、神経系の異常が疑われ、精密検査や早期介入の必要性が検討されます。

このように、原始反射の観察は小児科診療において非常に重要な位置を占め、発達過程のチェックリストの一部として、赤ちゃんの健康状態を総合的に把握するための一助となっています。

 まとめ

新生児期に見られる原始反射は、赤ちゃんが自らの生存のために本能的に発揮する行動であり、また神経系の発達段階を反映する大切な指標です。把握反射、吸啜反射、モロー反射のそれぞれが、正常な発達の目安として、医療現場での診察や検診の際に細かく観察され、異常の早期発見に貢献しています。保護者や医療従事者がこれらの反射の意味や正常な経過を正しく理解することで、赤ちゃんの健やかな成長を見守るための重要な知識となるでしょう。

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