【初心者必見】ピラティスのメリットと合わない人の傾向とは?
体を「鍛える」のではなく「整える」ための運動
ピラティスは、20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・H・ピラティス氏によって開発された身体調整法です。もともとは第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリとして活用され、ベッドに横たわったままでも筋肉や関節の動きを回復できるよう考案されました。
その後、アメリカに渡った彼のメソッドは、バレエダンサーや俳優たちの間で広がり、現在では医療・スポーツ・フィットネスの分野にまで応用されています。
ピラティスの目的は、筋肉を「大きく」することではなく、「正しく使える状態に整える」こと。身体の中心(体幹)を安定させ、姿勢や呼吸、関節の連動などを滑らかに保つことを目指します。
「動き方」を学び直す運動
ピラティスは、以下のような身体の使い方を意識的に整えるエクササイズです。
- 姿勢の崩れや歪みにアプローチする
- インナーマッスル(深層筋)を働かせて体の軸を安定させる
- 骨盤や背骨の整列を保ちながら動く
- 呼吸と動作を連動させる
- 身体の左右差を見直し、過剰な力みを手放す
見た目にはシンプルで静かな動きですが、集中力と細かい筋肉の調整を必要とするため、深く体に効くのが特徴です。
1. マットピラティス
ヨガマット1枚でできる、最も基本的なスタイル
マットピラティスは、自分の体重を使って行うスタイルです。道具は使わず、床で寝たり座ったりした姿勢で、重力に対して自分の体をコントロールしていきます。
特徴
- シンプルで始めやすい
- 呼吸や骨盤の動きなど、基礎に集中しやすい
- 器具に頼らないため、体の使い方の癖が出やすく、気づきが多い
- 自宅でもできる
注意点
サポートが少ないため、初心者にはやや難しく感じられることもある。柔軟性や体幹のコントロールが十分でないと、誤った動きになりやすい。
2. マシンピラティス
専用のマシンを使い、負荷や補助を調整しながら行うスタイル
ピラティス専用マシン(リフォーマー、キャデラック、チェアなど)を使って行います。バネや滑車の負荷を使って筋肉をサポートしたり、強化したりすることができ、マットよりも可動域が広く、より立体的に体を動かせます。
主な機器と用途
- リフォーマー:スライドする台とバネの負荷で動き、寝たままの姿勢でも安定して運動でき、初心者にも適している
- キャデラック:天井フレーム付きの大型マシンで、重力を多方向に活用し、リハビリや柔軟性の向上に用いられる
- ワンダチェア:椅子型でコンパクトながら全身運動が可能。脚力・体幹・バランスの強化に有効
特徴
姿勢のサポートがあり、正確なフォームを習得しやすい。負荷調整が可能で安全性が高くリハビリにも対応。一部の筋肉だけでなく全身の連動性を高めやすい。初心者から上級者まで対応可能。

-
- 姿勢改善(猫背、反り腰など)
- 腰痛・肩こりの緩和
- 骨盤底筋群の強化
- 呼吸の質の向上(自律神経の安定)
- 運動時のパフォーマンス向上
- 身体の左右差・癖のリセット
- 更年期・産後などライフステージに応じたケア
「筋肉を鍛える」のではなく「動きを整える」ことで、見た目の美しさだけでなく、動作の快適さや疲れにくさを実感する人が多くいます。
- 運動=すぐに結果が出るものと捉えている場合
- 汗をかくことや爽快感が目的のとき
- 筋肉を大きくすることが目的のとき
- 音楽やテンポで動くのが好きな人
- 考えずに動いてリフレッシュしたい人
- フォームを細かく直されるのが苦手な人
- 達成感・消耗感を求めているとき
ピラティスは集中型・調整型の運動です。テンポや刺激を求める運動とは異なるため、目的が合わないとフィットしにくく感じることもあります。
1.「運動=すぐに結果が出るもの」と捉えている場合
ピラティスはじわじわと効くタイプの運動です。見た目よりも体の使いやすさや整い方に変化が現れます。 数回で体重が落ちたり、劇的に引き締まったりという変化を求めていると、テンポが合わず、「効果がわからない」と感じやすくなります。 期待しているのが「短期間で数値的・視覚的な成果」であるなら、ピラティスの“深く、ゆっくり整える”スタイルとは方向が異なります。
2.「汗をかくこと」や「運動後の爽快感」が目的のとき
ピラティスは、心拍数を大きく上げたり、長時間動き続けたりする運動ではありません。 呼吸と共に筋肉をゆっくり動かすことで内側の熱が生まれますが、いわゆる「大量の汗をかいてスカッとする」感覚は出にくいです。 気分転換や気持ちの発散を目的にしていると、「動き足りない」「すっきりしない」と感じてしまうかもしれません。
3.体を鍛える=筋肉を大きくする、だと思っているとき
ピラティスは「動かし方」を変えるトレーニングであり、筋肥大(筋肉を太く大きくする)を目的にしていません。 筋肉を整え、正しい姿勢や効率的な動きにつなげることが中心です。 筋肉量を増やして体を大きくしたい、トレーニング後のパンプ感や達成感を得たい、という目的を持っていると、ピラティスの“調整型”のアプローチには物足りなさを感じる可能性があります。
4.音楽やテンポ、勢いで動くことに心地よさを感じる人
ピラティスは、リズムや音楽に合わせて動くものではありません。動きは静かで、呼吸と筋肉の感覚に集中する時間が多く、人によっては「地味」「動きが少ない」と感じられることがあります。 勢いで運動したい、テンポよく気分を上げたいという方には、空気感そのものが違和感につながりやすいです。
5.動き方を考えるより、体を動かすことで頭を空っぽにしたい人
ピラティスでは「自分の骨盤がどこにあるか」「この動きでどこに力が入っているか」など、常に体の内側に注意を向けます。 無意識で体を動かすのではなく、意識的に使うことで整えていくスタイルです。 「とにかく考えずに体を動かして、リフレッシュしたい」という目的が強いと、ピラティスはむしろ“集中しすぎて疲れる”という感覚になることもあります。
6.フォームを細かく直されることが苦手なとき
ピラティスでは、姿勢や骨の整列に強いこだわりがあります。 そのため、レッスン中に「あと数ミリここを引き上げて」「肩を2cm後ろに」など、非常に細かい指導が入ることがあります。 それを楽しめる人もいますが、体を自由に動かしたいという気持ちが強いと、こういった指摘がストレスになる場合もあります。
7.「運動=達成感・消耗感が必要」と思っているとき
ピラティスは“強くなるための運動”ではなく、“整っていくための運動”です。 体の深部が動いたことで、見た目は変わらなくても「今日はよく効いた」という感覚がある。そんなタイプの運動です。 運動後に「汗だくになった」「今日はやりきった!」というわかりやすい達成感を求める傾向が強いと、ピラティスの持ち味に気づく前に飽きてしまうこともあります。
ピラティスは、体を深く知り、整えていくための非常に良質な方法です。
ですが、「今どんな運動をしたいか」「何を求めているか」によっては、フィットしないこともあります。それは運動の良し悪しではなく、「方向の違い」です。
「たくさん汗をかきたい」「気分転換がしたい」「筋肉を大きくしたい」—— そうした目的であれば、ピラティスではないアプローチのほうが合うかもしれません。
反対に、「姿勢を整えたい」「日常動作を楽にしたい」「自分の体を深く理解したい」などのニーズには、ピラティスがとてもマッチします。
運動を選ぶうえで大切なのは、「自分が何を得たいのか」を知っておくこと。そして、選んだ運動がその目的に合っているかを見極めることです。
ピラティスが合う人にも合わない人にも、必ず理由があります。自分の体と心の状態、そして望む未来に向けて、今どんなサポートが必要なのかを見つめる時間として、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
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