安心して育児を迎えるために~マタニティブルーと産後鬱の正しい知識・原因・対処法

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出産後の心のケア:マタニティブルーと産後鬱を見極めるポイント

出産後、女性はホルモンの急激な変動や育児による睡眠不足、身体的負担の影響を受け、心の状態に大きな変化が現れることがあります。「涙もろくなったり、気分が落ち込んだり、不安感がつのる」などの情緒不安定な状態として紹介されている「マタニティブルー」と、より深刻な症状が持続する「産後抑鬱症」(産後鬱)との違いについて、解説いたします。

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マタニティブルー

A. マタニティブルー(マタニティブルーズ)の特徴

    • 定義
      「産後、涙もろくなったり、気分が落ち込んだり、不安感がつのる」情緒不安定な状態として記述されており、ホルモンバランスの急変や育児の負担が背景にあります。

      • 妊娠中や出産直後に現れる一過性の現象であり、生理現象として理解されることが多いです。
    • 特徴

      • 発症のタイミング:
        「人にもよりますが、出産後3~4日頃から発症することもあります」とあるように、出産直後から短期間に現れる場合が多いです。
      • 症状:
        • メンタル面:涙もろさ、気分の落ち込み、不安感、イライラ、焦燥感など。
        • 身体面:不眠、過食または拒食、倦怠感、動悸、頭痛など、日常生活に影響を及ぼす軽度の身体症状も伴います。
      • 経過:
        一般的には「ほぼ1カ月くらいで自然に治る」とされ、症状の持続期間は通常3~4日から2~3週間の一過性ですが、個人差があります。
      • 普遍性:
        産褥期の女性の約15~50%に見られるといわれ、多くの女性が経験する現象です。

B. 産後鬱(産後抑鬱症)の特徴

    • 定義
      産後鬱は、マタニティブルーと異なり「心の病気に近いもの」として扱われる深刻な情緒不安定状態です。

      • 単なる生理現象ではなく、精神疾患としての側面を持ち、日常生活に大きな支障を来す場合があります。
    • 特徴

      • 症状の重さ:
        マタニティブルーの症状に加え、「イライラする、眠れない、わけもなく悲しくなって泣いてしまう、物事に集中できない、神経が過敏になって些細なことでも心配になる、やる気が出ない」といった、より重度の精神症状が現れます。
      • 持続期間:
        産後鬱は「3カ月から12カ月程度続く」とされ、長期間にわたって症状が継続するのが特徴です。
      • 治療の必要性:
        自然回復が期待できないため、専門的な医療機関での診断・治療(薬物療法、心理療法など)が求められます。

2. 発症時期と具体的な症状

不安

A. マタニティブルーの場合

    • 発症時期:

      • 「出産後3~4日頃から発症することもある」とされ、妊娠中にも見られることがあります。
      • 出産直後のホルモンの大きな変動、睡眠不足、赤ちゃんのお世話による身体的疲労などが要因となり、タイミングに個人差があります。
    • 具体的な症状:

      • メンタル面:
        • 急に涙が出る
        • 気分が落ち込み、不安感が強まる
        • イライラ感、焦り、自己嫌悪感が現れる
      • 身体面:
        • 不眠や慢性的な疲労
        • 軽度の頭痛や動悸、食欲の変動(過食や拒食)
      • 経過:
        多くの場合、ホルモンバランスの回復とともに症状は自然に改善し、ほぼ1カ月以内に治まります。

B. 産後鬱の場合

    • 発症時期:

      • 「産後1カ月をすぎても、ますます情緒不安定な状態が進行する場合」が該当し、初期のマタニティブルーと区別が必要です。
      • 初期段階では見逃されがちですが、症状の持続期間と重症度で明確に分かれます。
    • 具体的な症状:

      • メンタル面:
        • 理由もなく悲しくなり、泣いてしまう
        • 強い不安感、イライラ、集中力の低下、自己評価の著しい低下
        • 自殺念慮や自傷行為に至る可能性もあるため、深刻な場合は周囲の安全対策も必要です。
      • 身体面:
        • 睡眠障害、極度の疲労感
        • 体重変動や消化器系の不調など、全身に影響が出ることもあります。
      • 経過:
        症状は「3カ月から12カ月程度続く」とされ、早期の介入と専門的な治療が重要です。

A. ホルモンバランスの急激な変動

変動

 

    • 妊娠中のホルモン上昇:

      • 妊娠初期、特に「妊娠5、6週あたりから猛烈な勢いで上昇」するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)や、エストロゲン、プロゲステロンが急増します。
      • これが「つわり」を引き起こす要因ともなり、体内環境を大きく変化させます。
    • 出産後のホルモン急降下:

      • 出産後は、妊娠中に増加したホルモンが「一気に減少」し、この急激な降下が情緒不安定や気分の落ち込みの直接的な原因となります。

B. 環境的・心理的要因

    • 育児による身体的・精神的負担:
      • 「数時間おきの授乳やおむつ替えなど赤ちゃんの世話」で熟睡できず、睡眠時間が減少することが、マタニティブルーの発症に影響するとされています。
    • 不安やストレス:
      • 出産後は、「赤ちゃんや家族のために頑張らなければ」という責任感から、育児の不安が積み重なり、ストレスとなることが多いです。
    • 社会的孤立とサポートの有無:
      • 周囲のサポートが不足している場合、孤独感や不安が強まり、産後鬱に進展するリスクが高まります。

C. 個人差と既往歴の影響

    • 体質や過去の経験:
      • 既往症としてうつ病や不安障害がある場合、ホルモン変動や生活環境の変化により症状が悪化しやすい傾向があります。
    • 生活習慣:
      • 日常の睡眠、食生活、運動習慣も、ホルモンの影響と合わせ、心の状態に大きく関与します。

4. 対処法とサポート体制

サポート

A. マタニティブルーの場合

    • セルフケアの実践:

      • 感情が不安定なときは、無理に自分を抑え込まず、涙を流してストレスを解放することが推奨されます。
      • 赤ちゃんの世話は「夫やおばあちゃんなど周囲の助け」を借り、しっかり休む時間を確保することが大切です。
      • 軽い運動(散歩やストレッチ)による気分転換も有効です。
    • 心理的サポート:

      • パートナーや家族、信頼できる友人に自分の気持ちをしっかり伝え、話を聞いてもらうことで、不安感や孤独感が軽減される場合があります。
      • 同じ経験を持つ人たちとの情報交換や、育児サークル、オンラインコミュニティの活用もおすすめです。

B. 産後鬱の場合

    • 医療機関での診断・治療:
      • 産後1カ月以上症状が改善せず、日常生活や育児に支障が出る場合は、早期に専門の医療機関(産婦人科、精神科など)で診断を受け、適切な治療(薬物療法、認知行動療法、心理カウンセリングなど)を行うことが必要です。
    • 家庭内・地域のサポート体制:
      • 家族やパートナーの理解・協力はもちろん、自治体の保健センターや子育て支援センター、地域のメンタルヘルス相談窓口など、外部の専門機関との連携が非常に重要です。
      • サポートグループやグループセラピーに参加することで、同じ悩みを抱える仲間との交流が、孤独感や不安の軽減につながります。

 まとめ

マタニティブルーは「出産後のホルモンの大きな変動」や「赤ちゃんの世話による睡眠不足」が主な要因であり、一般的には数日から数週間で自然に改善する一過性の現象です。しかし、症状が長引き、生活全般に深刻な影響を及ぼす場合は、産後鬱(産後抑鬱症)の可能性があり、専門的な治療と周囲のサポートが不可欠です。

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